はじめに
みなさんは、日々の学びや仕事で「大量の情報を整理するのが大変だ」と感じたことはありませんか?
膨大な資料を読んで要約し、比較し、自分なりの理解を深めていく作業は、とても時間がかかります。
そんな悩みを解決するべく、Googleが開発したのが 「NotebookLM」 です。
もともと実験的なプロジェクトから生まれましたが、今では研究者・学生・マーケター・教育関係者まで幅広く注目を集めています。
この連載の第1回では、NotebookLMとはそもそもどんなツールなのか、その誕生背景や基本機能をわかりやすく解説していきます。
1. NotebookLMとは何か?
NotebookLMは、Google Labsが提供する AI搭載のノートアシスタント です。
一言でいえば「自分専用のAIリサーチャー兼ノート管理人」。
ユーザーがアップロードしたドキュメント(PDF、Google Docs、Slides、ウェブページ、YouTubeのトランスクリプトなど)を基に、
- 要点をまとめてくれる
- 質問に答えてくれる
- 文章を整理してくれる
- 音声で概要を説明してくれる
といったサポートを行ってくれます。
従来のAIチャットボット(例:ChatGPT)との大きな違いは、NotebookLMは「自分が用意した資料」をベースに会話できるという点です。これにより、一般的な知識ではなく、自分のプロジェクトや研究に特化した回答が得られるようになります。
2. NotebookLM誕生の背景
NotebookLMの原点は、Googleが2023年に発表した「Project Tailwind」です。
これは「自分の学習ノートをAIが整理してくれる」ことを目指した実験的ツールでした。
ユーザーが集めた資料を自動的に読み取り、AIが理解・要約・関連づけを行う。
つまり「人間が読む前にAIが下ごしらえをしてくれる」という発想です。
その後、機能を拡張し、名前もNotebookLMに変更されました。NotebookLMのLMは、Language Model(言語モデル)の略で、AIが人間のように言語を理解し、応答する技術を指します。
研究用途だけでなく、教育、仕事、コンテンツ制作など幅広い分野で使える汎用的なAIノートに進化しました。
3. NotebookLMの主な機能と特徴
3.1 ドキュメントの取り込み
- PDF、Google Docs、Google Slides、テキストファイル、ウェブ記事、YouTube動画(字幕つき)、音声(mp3)など、多様な情報源をまとめて管理可能。
- 「このテーマに関する参考資料」をひとつのノートに集約できます。
3.2 AIによる質問応答
- アップロードした資料を基に「この論文の要点は?」「この部分を比較すると?」などと聞ける。
- 回答には出典(どの資料のどこを参照したか)が表示されるため、信頼性を担保できる。
3.3 自動要約・アウトライン作成
- 長大なレポートや論文を短時間で理解可能。
- 「章ごとの要点」「アウトライン構造」を整理してくれるので、読み進めやすくなる。
3.4 Audio Overview(音声要約)
- 資料の内容を“ポッドキャスト風の会話”でAIが読み上げてくれる。
- 移動中や作業中でもインプットできる。
3.5 共有・コラボレーション
- 作成したノートを他者と共有可能。
- チームでの調査・勉強・資料整理に向いている。
3.6 ソース提案
ソース情報が足りない時、Web情報を検索し、関連するWEBサイトを新たなソースとして追加する提案をします。
3.7 マインドマップ
アップロードした資料の情報をマインドマップで表示し、複雑な情報を視覚的に把握しやすくする機能です。
3.8 安心感・セキュリティ
アップロードした個人データは、情報漏洩の心配をせずに、お手元の情報資産を安心してNotebookLM で活用できます。
4. どんな人におすすめか?
NotebookLMは幅広い人に役立ちますが、特に次のような方におすすめです。
- 学生・研究者:大量の論文や資料を効率的に整理・要約したい
- マーケター・ビジネスパーソン:競合分析や顧客データをまとめ、インサイトを得たい
- 教育関係者:教材を効率的に要約し、分かりやすく伝えたい
- ライター・ブロガー:情報収集を短縮し、記事制作に集中したい
つまり「大量の情報を扱うすべての人」にとって有用なツールといえます。
5. NotebookLMのここが新しい
従来のAIツール(ChatGPTなど)とNotebookLMの大きな違いは、“自分の資料”を主役にできることです。
一般的なAIは大規模な学習データを基に「一般的な知識」を答えてくれますが、NotebookLMはユーザーがアップロードした「自分専用の資料」を根拠に答えを導き出します。
そのため、たとえば:
- 「この会社の財務レポートを比較して要点をまとめて」
- 「この論文3本の共通点と違いを教えて」
といった“個別かつ専門的な質問”に対しても、的確なサポートを受けられるのです。
まとめ
- NotebookLMはGoogleが開発した AIノートアシスタント
- PDFやDocsなどをアップロードし、それを基に 要約・質問応答・音声要約 などが可能
- 「自分の資料に特化した回答」を得られるのが最大の特徴
- 学生・研究者・マーケターなど「情報を扱うすべての人」に役立つ
次回予告
第2回では、実際にNotebookLMを導入する方法と基本の使い方を解説します。
「どうやって始めるの?」「無料でどこまで使えるの?」といった疑問を、画面イメージも交えながら丁寧に解説していきます。
コメントを残す